相続放棄の期限3ヶ月を過ぎたら?今からできる対処法と例外

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相続放棄の期限3ヶ月を過ぎたら?今からできる対処法と例外

親族の相続手続きを進める中で、借金や保証債務の存在に気づき、「相続放棄の期限である3ヶ月をすでに過ぎているかもしれない」と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。期限を過ぎてしまったと分かった瞬間、目の前が真っ暗になるような焦りや、もっと早く気づいていればという後悔の気持ちを抱えている方も少なくないと思います。

結論から申し上げますと、3ヶ月の期限(熟慮期間)が過ぎたからといって、相続放棄が一律にできなくなるわけではありません。個別の事情によっては、期限経過後であっても相続放棄が認められる可能性が残されているケースもあります。ただし、これは誰にでも当てはまるものではなく、起算日の考え方や負債を知った経緯など、具体的な状況によって判断が分かれる点にも注意が必要です。

この記事では、相続放棄の期限がいつから数えられるのかという基本的な考え方から、期限を過ぎた場合に単純承認とみなされることで生じる具体的なリスク、そして期限経過後でも認められる余地がある例外的なケースの要件について、順を追って解説します。あわせて、今すぐ取るべき対処法や、自分で手続きする場合と専門家に相談する場合の違いについてもご紹介しますので、ご自身の状況を整理しながら次の一歩を判断する材料としてお役立てください。

この記事でわかること

  • 相続放棄の期限3ヶ月(熟慮期間)の起算日の考え方と誤解しやすい具体例
  • 期限経過後は原則単純承認となるが、例外的に放棄が認められる場合の要件がわかる
  • 預貯金の解約など単純承認とみなされる行為と、その撤回が困難な点がわかる
  • 期限が過ぎそうな場合の期間伸長の申立て方法と、過ぎた場合に確認すべき事項
目次

相続放棄の3ヶ月期限(熟慮期間)とは何か

熟慮期間の法的な位置づけ

相続放棄の期限は、民法915条において「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」と定められています。この3ヶ月の期間は「熟慮期間」と呼ばれ、相続人が被相続人の財産や負債の状況を調べたうえで、相続を承認するか放棄するかを判断するために設けられた猶予期間です。相続には、プラスの財産だけでなく借金や保証債務といったマイナスの財産も含まれるため、熟慮期間は相続人が不利益を被らないよう検討する時間を確保する目的で設けられています。

起算日はいつからか(原則と実務上の考え方)

熟慮期間の起算日は、原則として「被相続人が亡くなったことを知り、かつ、自分が相続人であることを知った時」とされています。多くの場合、被相続人がご逝去された日と、相続人がその事実を知った日は一致すると考えられますが、同じ日とは限らない場合もあります。たとえば、離れて暮らしていた親族の逝去を後日になって知らされたようなケースでは、実際にご逝去された日ではなく、その事実を知った日から3ヶ月を数えるという考え方が実務上取られる場合があります。ただし、起算日の判断は個々の事情によって異なるため、一般的な目安として理解しておくことが大切です。

起算日を誤解しやすいケース

起算日については、誤解が生じやすい具体例がいくつか見られます。たとえば、同居していなかった相続人が、被相続人のご逝去自体は早い段階で把握していたものの、自分が相続人にあたることを後から知らされた場合、起算日の考え方が争点になることがあります。また、相続財産の全容を把握していたつもりが、後になって負債の存在が発覚したケースでは、「相続開始を知った時」と「負債の存在を知った時」のどちらを起算日とすべきかという解釈上の問題が生じることもあります。こうした状況は、家庭裁判所への申述や後述する例外的な取り扱いの判断にも関わってくるため、個別の事情により結論が分かれる点に注意が必要です。ご自身のケースがどの起算日に該当するか判断に迷う場合は、早い段階で専門家に相談することが望ましいと考えられます。

期限を過ぎたら相続放棄はできなくなるのか

原則:期限経過後は単純承認とみなされる

民法921条2号では、相続人が熟慮期間内に限定承認または相続放棄をしなかったときは、単純承認をしたものとみなすと定められています。単純承認とは、被相続人の財産・負債をすべてそのまま引き継ぐことを意味します。つまり、原則としては、3ヶ月の熟慮期間を過ぎてしまうと、家庭裁判所に対して相続放棄の申述を行うことは難しくなり、プラスの財産だけでなく借金や保証債務といったマイナスの財産についても、相続人が引き継ぐ扱いになります。この原則は法律上明確に定められており、まず前提として理解しておく必要があります。

ただし例外が認められる場合がある

もっとも、熟慮期間を経過した場合に一律で相続放棄が認められないというわけではありません。裁判実務においては、相続人が被相続人の負債の存在を全く認識できず、かつそのことについて相当な理由があると認められる場合には、熟慮期間の起算日を「相続人が負債の存在を知った時、またはその存在を知り得た時」まで遅らせて解釈し、結果として期限内の申述として相続放棄が認められた例があります。こうした考え方は、これまでの裁判例の積み重ねの中で示されてきたものであり、あくまで個別の事情を踏まえた例外的な取り扱いです。すべてのケースで同様の判断がなされるとは限らない点に留意が必要です。

『もう無理』と決めつけるべきではない理由

期限が過ぎてしまったことに気づいた際、「もう手立てがない」と諦めてしまう方も少なくありません。しかし、これまでの裁判例の傾向を踏まえると、期限経過後であっても、事情によっては相続放棄が認められる可能性が残されている場合があります。一方で、例外が認められるかどうかは、被相続人との関係性、財産調査の状況、負債を知った時期やその経緯など、個別の事情を総合的に考慮したうえで判断されるものであり、書類の書き方や主張の仕方によって結果が左右されることもあります。そのため、「自分の場合はどうなのか」を自己判断せず、早い段階で弁護士・司法書士などの専門家に相談し、個別の状況に応じた見立てを受けることが重要です。安易に「まだ間に合う」と楽観視することも、逆に「もう手遅れだ」と諦めてしまうことも、どちらも避けたい姿勢といえます。

期限経過後でも相続放棄が認められる例外的なケース

負債の存在を後から知った場合の考え方(最高裁判例の趣旨)

期限経過後の相続放棄をめぐっては、最高裁判所昭和59年4月27日判決が重要な判断枠組みを示しています。この判例では、相続人が相続財産(プラスの財産・マイナスの財産のいずれも)が全く存在しないと信じており、かつそのように信じたことについて相当な理由があると認められる場合には、熟慮期間は相続人が相続財産の全部または一部の存在を認識した時、あるいは通常これを認識できたであろう時から起算するのが相当である、という趣旨の判断を示しました。

つまり、単に「知らなかった」というだけではなく、財産の調査を怠っていなかったにもかかわらず、後になって初めて負債の存在が判明したというような事情が問われる考え方です。この判例の趣旨は、その後の家庭裁判所・高等裁判所の実務においても、期限経過後の相続放棄の可否を判断する際の重要な出典として参照され続けています。

認められるための主な要件

裁判実務では、事案ごとの個別事情を踏まえて判断されるため、以下の要素はあくまで一般的に考慮される傾向がある事情として整理したものです。該当した場合でも、認められるとは限らない点にご留意ください。

  • 被相続人に相続財産(負債を含む)が全く存在しないと信じていたこと
  • そのように信じたことについて、相当な理由があると認められること(例:被相続人と長年疎遠であった、生前に資産や負債に関するやり取りが一切なかった等)
  • 相続財産の調査を行う契機や必要性が乏しい客観的な状況があったこと
  • 債権者からの督促状の到達など、負債の存在を知った時点から、大きく時間を空けずに相続放棄の申述を行っていること
  • 負債の存在を認識した時期を、督促状・訴状・催告書等の客観的な資料で裏付けられること

認められにくいケースの傾向

一方で、以下のような事情がある場合には、期限経過後の相続放棄が認められにくい傾向があるとされています。あくまで傾向であり、最終的な判断は個々の事案の資料や家庭裁判所の判断によります。

  • 被相続人と同居しており、生前の生活状況や資産状況をある程度把握できる立場にあったと考えられる場合
  • 相続開始後、財産や通帳、郵便物等を確認する機会があったにもかかわらず、調査を行わなかった場合
  • 負債の存在を知った後、相当期間が経過してから申述に至った場合
  • すでに預貯金の払い戻しや遺産の処分など、法定単純承認とみなされ得る行為を行っている場合

このように、期限経過後の相続放棄は民法915条の熟慮期間の原則に対する例外的な取り扱いであり、認められるかどうかは個別の事情や提出できる資料によって左右されます。ご自身の状況がこの例外に該当し得るかどうかは、早い段階で弁護士や司法書士等の専門家に相談し、客観的な資料とともに検討することが望ましいといえます。

単純承認とみなされた場合の具体的なリスク

借金・保証債務も相続してしまう

相続放棄をしないまま熟慮期間が経過したり、後述する法定単純承認にあたる行為をしたりすると、相続人はプラスの財産だけでなくマイナスの財産もすべて承継する「単純承認」をしたものとみなされます。単純承認とみなされた場合、被相続人が負っていた借入金や未払金だけでなく、他人の連帯保証人・保証人としての地位も相続人に引き継がれる可能性があります。保証債務は契約時点では金額が確定していないことも多く、後になって高額な請求を受けて初めて負担の大きさに気づくケースも見られます。相続財産の内容によっては、プラスの財産を上回る負債を抱える結果になることもあるため、単純承認の効果は経済的な影響が大きい点を理解しておく必要があります。

法定単純承認とみなされる行為の例

民法では、相続人が一定の行為をした場合、本人の意思にかかわらず単純承認をしたものとみなす「法定単純承認」という考え方が定められています。代表的な例としては、次のような行為が挙げられます。

  • 相続財産に属する預貯金を解約して自分の口座に移す、または使用する行為
  • 被相続人名義の不動産や自動車などを売却・譲渡する行為
  • 相続財産である現金や貴金属などを形見分けの範囲を超えて処分する行為
  • 被相続人の債権を取り立てて自分のために受け取る行為

これらは相続放棄をする前に「相続財産を自分のものとして扱った」と評価されうる行為であり、本人に借金を相続する意図がなくても、結果として単純承認とみなされる可能性があります。一方で、社会通念上相当と考えられる範囲の葬儀費用の支出や、経済的価値の乏しい遺品の整理などについては、単純承認にあたらないと判断される場合もあるとされています。ただし、どこまでが「相当な範囲」にあたるかは個別の事情によって判断が分かれるため、財産に手を付ける前に専門家へ確認することが望ましいといえます。

一度みなされると撤回は困難

単純承認は、いったん成立したと判断されると、後から「やはり相続放棄をしたい」と考えても撤回することは一般的に難しいとされています。相続放棄の申述が家庭裁判所に受理された後であっても、法定単純承認にあたる行為が先に行われていたことが判明すれば、相続放棄の効力自体が争われる可能性もあります。負債の状況が不明なまま相続財産に手を付けてしまうと、後になって選択の幅が狭まる結果につながりかねないため、相続財産の存在や内容がはっきりしない段階では、処分行為を控え、早めに調査・相談を進めることが重要です。

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期限が過ぎそう・過ぎた場合に今できる対処法

期間伸長(熟慮期間の延長)の申立て

相続財産の調査に時間がかかり、3ヶ月の熟慮期間内に相続放棄をするか単純承認をするかを判断しきれない場合には、家庭裁判所に「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てるという選択肢があります。これは民法で認められている手続きで、熟慮期間がまだ経過していない段階であれば利用を検討できます。

申立ての一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所を確認する
  2. 申立書、被相続人の戸籍謄本、相続人の戸籍謄本など必要書類を準備する
  3. 家庭裁判所に申立てを行い、伸長を求める理由(財産調査に時間を要している事情など)を説明する
  4. 裁判所の審判により、熟慮期間が一定期間延長される

申立てにかかる費用は、収入印紙代(相続人1人につき800円程度が目安・非課税)と郵便切手代が中心ですが、必要書類の収集には別途実費がかかる場合があります。伸長が認められるかどうか、また延長される期間は個別の事情によって異なるため、余裕をもって早めに申立てを検討することが望ましいといえます。

すでに期限を過ぎている場合にまず確認すべきこと

熟慮期間がすでに経過してしまったと感じる場合でも、慌てて結論を出す前に、まずご自身の状況を整理してみることが大切です。確認しておきたい主なポイントは次のとおりです。

  • 被相続人の負債(借入金・保証債務など)の存在をいつ、どのような形で知ったか
  • 負債の存在を知った時期と、相続の開始を知った時期にずれがあるか
  • 相続財産について、前セクションで触れたような処分行為(預貯金の払戻し・不動産の売却など)を行っていないか
  • 相続財産の調査がどの程度進んでいるか、財産と負債のおおよその全体像

これらの事情を時系列で整理しておくことは、後述する例外的な取り扱いが認められるかどうかを検討するうえでも、専門家に相談する際の判断材料としても役立ちます。感情的に「もう手遅れだ」と決めつけず、事実関係を落ち着いて振り返ることが次の一歩につながります。

自分で判断せず専門家に相談すべき理由

熟慮期間経過後の相続放棄が認められるかどうかは、負債を知った時期や相続財産の調査状況、処分行為の有無といった個別の事情を総合的に踏まえて判断される性質のものです。インターネット上の一般的な情報だけで「自分の場合は無理だろう」「まだ大丈夫だろう」と判断してしまうと、本来であれば取り得た選択肢を見落としてしまう可能性も否定できません。

特に、単純承認とみなされる行為にあたるかどうかの判断や、家庭裁判所への申述書の作成・提出は専門的な知識を要する部分が多く、状況によって対応方法が大きく異なります。すべての方に専門家への依頼が必須というわけではありませんが、負債の有無や金額が不明確な場合、期限を過ぎてしまった経緯が複雑な場合には、早い段階で弁護士や司法書士に相談し、現状を整理してもらうことが、今後の見通しを立てるうえで有用な選択肢の一つとなります。

自分で手続きする場合と専門家に依頼する場合の違い

自分で申述する場合の流れと注意点

相続放棄の申述は、相続人ご自身で家庭裁判所に手続きを行うことも可能です。一般的な流れとしては、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述書を提出し、被相続人の戸籍謄本や相続人の戸籍謄本などの必要書類をあわせて提出します。その後、家庭裁判所から「相続放棄の申述に関する照会書」が送付されることが多く、これに回答することで受理の可否が判断されます。

ただし、期限内(熟慮期間中)の通常の申述と、3ヶ月の期限を過ぎてからの申述とでは、求められる説明の重みが大きく異なります。期限内であれば、申述の理由や事情について詳細な立証を求められることは比較的少ない傾向にあります。一方、期限経過後の申述では、「なぜ期限内に放棄をしなかったのか」「相続財産の存在をいつ、どのように認識したのか」といった点について、経緯を裏付ける資料とともに具体的に説明することが求められます。この説明が不十分であると判断された場合、申述が受理されない可能性もあるため、期限経過後の申述は期限内の申述に比べて手続きの難易度が高くなる点に注意が必要です。

弁護士・司法書士に依頼するメリット

期限経過後の相続放棄では、単に申述書を提出するだけでなく、財産の存在を知った時期や調査を怠らなかった事情を裏付ける資料を整理し、家庭裁判所に対して説得力のある形で提示することが実務上重要になります。この点について、弁護士や司法書士といった専門家は、これまでの相続放棄の実務や裁判所の判断傾向を踏まえたうえで、申述書の記載内容や添付資料の組み立てを検討することができます。

また、照会書への回答内容によって受理の可否が左右される場面もあるため、専門家が関与することで、事実関係を法的に整理したうえで回答を作成できる点もメリットとして挙げられます。特に、負債の発覚が被相続人の逝去から一定期間が経過してからであった場合や、相続人間の関係が複雑な場合には、専門家に相談することで見落としを防げる可能性があります。

依頼すべきかどうかの判断目安

期限内で、相続財産の状況が比較的明確であり、単純承認とみなされる行為(相続財産の処分など)に該当する事情がない場合には、ご自身で申述する方法を選択される方もいます。一方で、以下のような場合には、専門家への相談を検討する余地があると考えられます。

  • すでに3ヶ月の熟慮期間を過ぎており、期限経過後の申述を検討している場合
  • 負債の存在をいつ知ったのか、経緯の説明が複雑になる場合
  • 相続財産の一部にすでに手を付けてしまい、単純承認とみなされる可能性が気になる場合
  • 他の相続人との関係で、申述の判断について客観的な意見を求めたい場合

弁護士に相続放棄の手続きを依頼する場合の費用は、日本弁護士連合会が実施した報酬基準に関するアンケート結果等を参考にすると、5万円〜10万円程度(税込)が目安とされることが多いようですが、期限経過後の申述で追加の資料収集や意見書作成が必要となる場合には、これより高額になることもあります。司法書士に書類作成を依頼する場合は、これより費用を抑えられる傾向がありますが、司法書士は家庭裁判所への代理人としての出頭はできず、書類作成の代行に限られる点に留意が必要です。いずれの場合も、依頼前に見積もりを確認し、対応範囲や追加費用が発生する条件について説明を受けておくことをおすすめします。

自分で申述する場合と専門家に依頼する場合の比較

ここでは「費用目安(税込)」「対応可能な範囲」「期限徒過ケースでの対応力」「必要書類作成の負担」の4つの観点から、相続放棄の申述方法を比較します。費用については、各専門家団体・公的機関が公表している資料を出典として記載していますが、実際の費用は事案の複雑さや依頼先によって異なるため、あくまで目安としてご参照ください。

方法 費用目安(税込) 対応可能な範囲 期限徒過ケースでの対応力 必要書類作成の負担
自分で申述(期限内) 裁判所手数料として収入印紙800円分、連絡用の郵便切手代(数百円程度)が必要です(裁判所「相続の放棄の申述」案内ページ参照、2026年時点)。戸籍謄本等の取得実費が別途かかります。 期限内の定型的な申述に限られます。相続財産の調査や複雑な事情の整理は自身で行う必要があります。 期限内であるため、通常は詳細な疎明資料の準備は不要とされる傾向にあります。 申述書は裁判所の書式を用いて自身で記入します。戸籍謄本等の収集も自身で行います。
自分で申述(期限徒過・要疎明資料作成) 裁判所手数料は上記と同額ですが、事情説明書や上申書の作成、証拠資料の収集にかかる時間的コストが加わります。 期限徒過の経緯を自身で説明・立証する必要があり、専門的な法的知識が求められる場面が増えます。 照会書への回答や上申書の内容次第で受理・不受理が左右されるため、専門知識がない場合は対応が難しくなる可能性があります。 財産を知った時期や経緯を裏付ける資料(通知書、督促状等)の収集・整理を自身で行う必要があり、負担は大きくなる傾向にあります。
弁護士に依頼 相続放棄の相談・申述代行として5万円~10万円程度(税込)を目安とする事務所が多いとされますが、期限徒過案件や紛争性がある場合はこれより高額になることがあります(日本弁護士連合会「弁護士報酬に関するアンケート結果集計」等を参考にした一般的な水準。具体的な報酬額は各法律事務所の公式サイト・見積もりで要確認)。 申述書作成に加え、遺産分割協議や債権者対応など相続全般に関する法律問題への対応が可能です。裁判所とのやり取りの代理人となることもできます。 期限徒過の経緯説明や上申書作成について、法的な観点からの助言・代理が期待できます。個別事案の見通しについては相談時に確認が必要です。 必要書類の収集・作成の多くを依頼できるため、相続人本人の負担は比較的軽減される傾向にあります。
司法書士に依頼 相続放棄の申述書類作成サポートとして3万円~6万円程度(税込)を目安とする事務所が多いとされます(日本司法書士会連合会の報酬に関する統計等を参考にした一般的な水準。具体的な報酬額は各司法書士事務所の公式サイト・見積もりで要確認)。 申述書類の作成代理が中心となります。紛争性が高い案件や裁判所での代理人としての活動は、弁護士と比べて範囲が限定される場合があります(司法書士法上の業務範囲による)。 書類作成のサポートを受けられますが、複雑な紛争性を伴う案件では対応範囲に制限がある場合があります。事案により弁護士への相談を案内されることもあります。 書類作成面での負担は軽減されますが、対応範囲は事務所や案件内容により異なるため、依頼前の確認が推奨されます。

上記はあくまで一般的な目安であり、実際の費用や対応範囲は依頼先の事務所や個別の事案内容によって異なります。正確な見積もりや対応可能な範囲については、相談時に直接確認することをおすすめします。

よくある質問

相続放棄の3ヶ月の期限は、いつから数えればよいのでしょうか

原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時」から起算されるとされています。多くの場合、被相続人がご逝去されたことを知った日が起点となりますが、疎遠な親族の場合や、先順位の相続人が相続放棄をしたことで相続人になった場合など、実際に相続人となったことを知った時点が起算日とされることもあります。個別の事情によって判断が分かれるため、詳しくは弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。

期限を過ぎてしまったら、相続放棄はできないのでしょうか

「できない」と決まったわけではありません。原則として熟慮期間の経過後は単純承認したものとみなされますが、負債の存在を知らなかったことについて相当な理由があると認められる場合など、例外的に相続放棄が認められる可能性があるとされています。ただし、これはあくまで例外的な取り扱いであり、認められるとは限らない点にご留意ください。

単純承認とみなされる具体的な行為にはどのようなものがありますか

一般的には、相続財産の全部または一部を処分した場合(預貯金の払い戻しや使用、不動産の売却など)、熟慮期間内に相続放棄・限定承認をしなかった場合、相続財産の全部または一部を隠匿・消費した場合などが法定単純承認事由とされています。何が「処分」にあたるかは個別の事情によって判断が分かれるため、財産に手を付ける前に専門家へ確認することが望ましいとされています。

期限が過ぎていることに気づいたら、今すぐ何をすればよいですか

まずは、被相続人の負債の状況や、ご自身がいつ相続の開始を知ったかを整理することが考えられます。その上で、相続財産に手を付けていないかを確認し、早めに弁護士・司法書士等の専門家に相談することが、今後の対応を検討する上で有効な選択肢の一つとされています。個別の状況によって取り得る対応が異なるため、自己判断で財産処分などを進めないことが望ましいと考えられます。

相談する場合、弁護士と司法書士のどちらに依頼すればよいのでしょうか

一般的に、書類作成のみを希望する場合は司法書士でも対応可能な場合がありますが、期限徒過後の申述など、裁判所に対する上申書の作成や事情説明が複雑になるケースでは、代理人として対応できる弁護士への相談が選択肢として挙げられることがあります。相続人間で争いが生じている場合や、債権者との交渉が必要な場合も弁護士が対応可能とされています。どちらに依頼すべきかは事案の内容によって異なるため、まずは相談時にご自身の状況を伝え、対応可能な範囲を確認することをおすすめします。

専門家への相談を検討する際に

相続放棄の期限が過ぎた後にその放棄が認められるかどうかは、亡くなられた方との関係、負債を知った経緯、これまでの財産の扱い方など、個別の事情を丁寧に確認しなければ判断できない領域です。同じように「期限を過ぎてしまった」という状況であっても、認められる可能性の見立ては一人ひとり異なります。まずはご自身の状況を整理し、専門家の見解を確認してみることが、今後の判断材料になります。

相談先を探す際は、いきなり電話をかけることに抵抗を感じる方も少なくありません。近年は、弁護士事務所や司法書士事務所の多くがオンライン相談や問い合わせフォームを用意しており、まずは文章で状況を伝えるところから始められる窓口も増えています。顔を合わせずに済む形式であれば、心理的な負担を抑えながら相談の一歩を踏み出しやすくなります。

相談前には、次のような点を簡単にメモしておくと、やり取りがスムーズになります。

  • 被相続人がご逝去された日、およびそのことを知った日
  • 負債(借金・保証債務など)の存在を知った時期とそのきっかけ
  • これまでに相続財産に手をつけた事実の有無(預貯金の解約、遺品の処分など)
  • 他の相続人の有無と、現在の状況

これらの情報を整理したうえでオンライン相談や問い合わせフォームから連絡を取ることで、初回のやり取りから具体的な見通しについて話を進めやすくなります。無料相談を実施している事務所もありますが、相談内容や時間には限りがある場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

期限を過ぎてしまったことへの不安を一人で抱え込む必要はありません。まずは状況を整理し、ご自身のペースで相談窓口に問い合わせてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

相続や終活の相談先に迷ったときは

相続・身元保証・介護・保険・葬儀・お墓は、それぞれ相談先が異なることが多く、どこに聞けばよいか分かりにくい分野です。窓口が一本化されている相談サービスであれば、状況を一度伝えるだけで必要な専門家につないでもらえます。弁護士法人グループの運営で、相談は無料です。

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この記事を書いた人

ともしるべ運営者。葬儀・お墓・仏壇・死後の手続きの費用と段取りを、公式情報・公的資料の出典を確認しながら、わかりやすく解説しています。

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