終活やることリストは何から?年代別に徹底解説

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「終活を始めたほうがよいとは思うけれど、何から手をつければよいかわからない」という声は少なくありません。エンディングノート、財産整理、葬儀の準備など、終活という言葉が指す範囲は広く、いざ始めようとすると優先順位に迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

本記事では、終活とはそもそも何をすることなのかという基本的な考え方から、やることリストの全体像、何から始めればよいかという優先順位の目安、始めるべき年齢のタイミング、エンディングノートに書いておきたい内容、財産・相続関連で先に整理しておきたい事柄までを、順を追って整理していきます。あわせて、ご家族へどのように希望を伝えておくとよいかについても触れています。

終活に「早すぎる」「遅すぎる」という決まった正解はありません。焦って結論を出す必要はなく、まずは全体像を知ることが、ご自身やご家族のペースで無理なく進めるための第一歩になります。この記事を、終活を考えるご本人にとっても、親の終活を手伝いたいと考えるご家族にとっても、判断材料としてお役立ていただければ幸いです。

この記事でわかること

  • 終活でやるべきことの全体像として7つの主要項目がわかる
  • 医療の意思表示や財産整理など優先順位の決め方がわかる
  • 終活を始める年齢の目安や後押しになるきっかけがわかる
  • エンディングノートに書く基本情報や医療・葬儀の希望がわかる
目次

終活とは何か|基本的な考え方を整理する

「終活」という言葉には、どこか重く、目を背けたくなるような響きを感じる方も少なくないかもしれません。しかし終活とは、人生の終わりに備えるための作業というだけでなく、これまでの歩みを振り返りながら、これからをどう過ごしたいかを見つめ直す機会でもあります。ここでは、終活という言葉が本来持つ意味について、あらためて整理しておきます。

終活の目的は『残される家族の負担軽減』と『自分らしい最期の準備』

終活の目的は、大きく分けて二つの側面から捉えることができます。一つは、ご自身が旅立たれたあとに残されるご家族の負担を軽くするという視点です。財産の所在がわからず手続きに時間がかかったり、葬儀や医療についての希望がわからず家族が判断に迷ったりすることは、決して珍しいことではありません。あらかじめ情報や意思を整理しておくことは、ご家族が安心して次の一歩を踏み出すための助けになる可能性があります。

もう一つは、ご自身が納得できる形で最期を迎えるための準備という側面です。医療や介護について自分がどのような希望を持っているのか、葬儀やお墓についてどう考えているのかを整理しておくことで、いざというときに自分の意思が周囲に伝わりやすくなります。終活は、家族のためだけでなく、ご自身のための取り組みでもあるという点は、押さえておきたい基本的な考え方です。

終活=死の準備ではなく『これからの生き方の整理』という視点

終活と聞くと、多くの方が「死への準備」というイメージを持たれるかもしれません。しかし、終活の本質は死そのものへの準備というよりも、これからの人生をどう生きるかを整理する作業に近いといえます。エンディングノートを書く過程では、これまでの人生を振り返り、大切にしてきたことや、これから先にやっておきたいことが見えてくることもあります。財産や持ち物を整理する中で、暮らしをより快適に整えられたと感じる方もいらっしゃるでしょう。

終活を「死を意識する重い作業」ではなく、「これからの生き方を見つめ直すきっかけ」として捉えることで、取り組むこと自体への心理的な抵抗感が和らぐ場合もあります。焦って全てを一度に片付けようとする必要はなく、ご自身のペースで、できるところから整理を始めていく姿勢が大切です。次の項目からは、終活で具体的に取り組む内容の全体像を確認していきます。

終活でやることリストの全体像|主な7つの項目

終活と一口に言っても、その内容は多岐にわたります。何から手をつければよいか迷ってしまう方のために、まずは一般的に挙げられる7つの項目を全体像として整理しておきましょう。それぞれの詳しい進め方は後続のセクションや関連記事で解説しますので、ここではまず「終活とはどのような作業の集まりなのか」を俯瞰していただければと思います。

①エンディングノートの作成

ご自身の基本情報や希望をまとめておくノートで、法的な効力はありませんが、家族への意思表示や情報整理の出発点として活用されることが多い項目です。具体的な記載内容については、後述のセクションで詳しくご紹介します。

②財産・相続の整理

預貯金や不動産、有価証券などの財産を洗い出し、必要に応じて遺言書の作成を検討する項目です。相続に関する詳しい進め方は、後半の「財産・相続関連で先にやっておくべきこと」でご案内します。

③医療・介護の意思表示

延命治療の希望や、介護が必要になった際の対応方針について、あらかじめ意思を示しておく取り組みです。ご自身の意思がご家族に伝わりにくい場面で、判断の助けとなる可能性があります。

④葬儀・お墓の生前準備

葬儀の形式やお墓・納骨の方法について、希望を整理しておく項目です。近年は一般的な形式だけでなく、家族葬や樹木葬など多様な選択肢が広がっており、詳細は関連カテゴリの記事で個別にご紹介しています。

⑤持ち物・デジタル遺品の整理

身の回りの品物や写真、SNSアカウント、各種オンラインサービスの契約情報など、いわゆる「デジタル遺品」を含めた持ち物の整理も終活の一環とされています。気力・体力があるうちに少しずつ進めておきたい項目のひとつです。

⑥家族との話し合い

準備した内容を一人で抱え込まず、ご家族と共有し、話し合う機会を持つことも大切な項目です。伝え方や切り出し方については、後半の「家族に何をどう伝えておくべきか」で具体的に取り上げます。

⑦専門家への相談・資料収集

相続や税金、葬儀・お墓に関する制度など、専門的な判断が必要な場面では、税理士や司法書士、葬儀社などの専門家に相談したり、資料を集めたりすることも終活の一部といえます。個別の事情に応じた判断が必要な場合は、専門家への相談を検討されることをおすすめします。

この7つの項目は、すべてを同時に進める必要があるとは限りません。次のセクションでは、これらの中から何を優先して取り組むとよいか、その考え方について整理していきます。

何から始めればよいか|優先順位の決め方

終活の項目を一覧にすると、そのボリュームに圧倒されてしまう方も少なくありません。しかし、これらすべてを同時に、あるいは決まった順番通りに進める必要はありません。優先順位は、ご自身の健康状態や年齢、家族構成によって変わるものであり、「これが正解」という唯一の進め方があるわけではないという点をまず押さえておきましょう。ここでは、優先順位を考えるうえでの一般的な視点をご紹介します。

緊急性が高いもの(医療の意思表示・財産整理)を優先する考え方

持病がある方や、ご高齢で入院・手術の可能性が身近になってきた方にとっては、医療や介護に関する意思表示は優先度の高い項目といえます。延命治療の希望や、判断能力が低下した場合の対応方針をあらかじめ示しておくことで、いざというときにご家族が代わりに判断を迫られる負担を軽減できる可能性があります。

また、財産・相続の整理についても、資産の状況が複雑な方や、相続人が複数いるご家庭では早めに着手しておきたい項目です。預貯金や不動産、有価証券がどこにどれだけあるかを本人以外が把握していないケースは珍しくなく、財産目録の作成だけでも家族の負担軽減につながる可能性があります。詳しい進め方は後述の「財産・相続関連で先にやっておくべきこと」で解説します。

気力・体力があるうちに取り組みたいもの(生前整理・お墓探し)

一方で、持ち物の整理やお墓探しといった項目は、体力や気力を必要とする作業でもあります。自宅の片付けや不用品の処分、複数の霊園を見学して比較検討するといった行動は、動けるうちに取り組んでおくことで選択肢を広く持てるというメリットがあります。

「まだ元気だから後回しでよい」と考えがちな項目ですが、健康状態は変化するものです。体調に大きな不安がない時期こそ、じっくりと時間をかけて検討できる項目に取り組むタイミングとして適していると考える方も多いようです。もちろん、これも「今すぐやらなければ間に合わない」というものではなく、ご自身のペースで進めていただく性質のものです。

家族と話し合うタイミングを逃さない工夫

優先順位を考えるうえで見落とされがちなのが、家族との話し合いのタイミングです。エンディングノートの作成や財産整理を一人で黙々と進めていても、その内容や意向がご家族に共有されなければ、いざというときに活かされない可能性があります。

正月やお盆に家族が集まる機会、あるいは自身や配偶者の誕生日など、自然に会話が生まれやすい場面を利用して、少しずつ話題にしていく方法もあります。「何から始めればよいか分からない」という悩みを抱えている場合は、まず家族に「終活を始めてみようと思う」と伝えること自体を最初の一歩としてもよいでしょう。話し合いの具体的な進め方については、後述の「家族に何をどう伝えておくべきか」で改めて取り上げます。

項目ごとの詳しい解説|決めることから選ぶ

終活でやることは幅が広く、すべてを一度に決める必要はありません。気になっている項目から一つずつ確認していくと進めやすくなります。

決めること詳しい解説
お墓をどうするか決める墓じまいの費用相場|内訳と安く抑えるコツ
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お墓以外の供養も検討する樹木葬の費用相場|タイプ別内訳と抑え方
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葬儀社を先に比べておく葬儀社の決め方チェックリスト|後悔を減らす7つの視点
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残された家族の手続きを知っておく死亡後の手続き一覧と期限まとめ
終活の項目と、それぞれの詳しい解説

費用が関わる項目は、相場を知ってから家族と話すほうが決めやすくなります。金額の目安が分かるだけで、話し合いの前提が揃います。

終活を始める年齢・タイミングの目安

終活を始めるのに適した年齢は、法律や制度で定められているものではありません。とはいえ、実際にどの年代から取り組み始める方が多いのかを知っておくと、ご自身のタイミングを考える際の一つの参考になります。ここでは、一般的な傾向と、年齢にとらわれすぎない考え方について整理します。

定年退職・還暦を機に始める人が多い理由

株式会社鎌倉新書が実施した「終活に関する意識調査」(2022年)では、終活を始めた年代として60代を挙げる回答が多かったことが報告されています。この背景には、定年退職や還暦といった人生の節目を迎え、仕事中心の生活から一区切りがつくことで、これからの人生や家族のことをじっくり考える時間的な余裕が生まれやすいという事情があると考えられます。

また、退職金や年金の受給が始まるタイミングで、資産の全体像を見直す機会が自然と訪れることも、この年代で終活に着手する方が多い理由の一つといえるでしょう。

体調の変化や家族のライフイベントが後押しになるケース

年齢に関わらず、次のような出来事をきっかけに終活を意識し始める方も少なくありません。

  • 健康診断や人間ドックで気になる指摘を受けた
  • 身近な方の入院・手術・ご逝去を経験した
  • 子どもの独立や孫の誕生など、家族構成に変化があった
  • 親の終活や相続をきっかけに、自分自身のことも考えるようになった

体調の変化は、医療や介護に関する意思表示を先に進めておきたいと感じるきっかけになりやすい出来事です。一方、家族のライフイベントは、これまで先延ばしにしていた家族との話し合いを始める良い機会になり得ます。こうした変化が訪れたときに、焦らず自分のペースで取り組み始めることが大切です。

『早すぎる』『遅すぎる』はないという考え方

終活は「まだ早い」と感じる年代であっても、財産の整理やエンディングノートの作成といった項目は、体力・気力が十分にあるうちに取り組みやすいという側面があります。反対に、高齢になってから始めても、できることから一つずつ進めていけば、決して遅すぎるということはありません。

大切なのは、周囲と比べたり「このくらいの年齢までにやるべき」といった基準に縛られたりするのではなく、ご自身や家族の状況に合わせて、納得できるタイミングで一歩を踏み出すことです。次のセクションでは、具体的に何から手をつけるとよいか、エンディングノートの記載内容を中心にご紹介します。

相続・葬儀・お墓・介護は、それぞれ相談先が分かれていて分かりにくい分野です。窓口が一本化された相談サービスなら、状況を一度伝えるだけで必要な専門家につないでもらえます。弁護士法人グループの運営で、相談は無料です。

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エンディングノートに書いておきたいこと

エンディングノートは、ご自身の情報や希望を書き留めておくためのノートです。決まった書式はなく、市販されているものから無料で配布されているテンプレートまでさまざまな種類があります。ここでは、代表的な記載項目を4つの観点に分けてご紹介します。

基本情報(連絡先・保険・資産の所在)

まず記載しておきたいのが、ご自身に関する基本的な情報です。家族が困らないよう、次のような項目を整理しておくと安心につながります。

  • 本籍地・生年月日・血液型などの個人情報
  • 親族・友人・知人など、いざというときに連絡してほしい方の連絡先一覧
  • 加入している生命保険・医療保険の証券番号や連絡先
  • 預貯金口座、証券口座など資産の所在(具体的な残高までは記載しない場合もあります)
  • 年金の種類や受給に関する情報
  • 各種契約(携帯電話、サブスクリプションサービスなど)の一覧

医療・介護に関する希望

ご自身の意思を伝えられなくなった場合に備え、医療や介護に関する希望を記しておくことも大切です。

  • 延命治療を望むかどうかについての考え
  • 告知(病名や余命)を望むかどうか
  • 介護が必要になった場合に希望する場所(自宅・施設など)
  • かかりつけ医や持病、服用中の薬に関する情報

葬儀・お墓に関する希望

葬儀やお墓についての希望も、エンディングノートによく記載される項目です。

  • 葬儀の形式についての希望(一般葬・家族葬・直葬など、選択肢の一つとして)
  • 宗教・宗派に関する情報
  • 喪主を依頼したい方
  • お墓や納骨に関する希望(既にあるお墓の場所、樹木葬・納骨堂など)
  • 訃報を知らせてほしい方の範囲

家族へのメッセージ

形式的な情報だけでなく、家族や大切な方へのメッセージを書き添える方も多くいらっしゃいます。これまでの感謝の気持ちや、伝えておきたい思いを自由に記しておくことで、残されたご家族の気持ちに寄り添う一冊になり得ます。

ここで注意しておきたいのは、エンディングノートには法的効力がないという点です。財産の分け方について記載しても、遺言書のような法的な拘束力は持ちません。相続に関する意思を確実な形で反映させたい場合は、別途、遺言書の作成を検討する必要があります。エンディングノートはあくまで「気持ちや情報を整理し、家族に伝えるための備忘録」という位置づけで捉えるとよいでしょう。

入手方法としては、書店や文具店で市販されているエンディングノートを購入する方法のほか、自治体や葬儀社、金融機関などが無料でテンプレートを配布しているケースもあります。まずは手に取りやすいものから始めてみるのも一つの方法です。

財産・相続関連で先にやっておくべきこと

財産や相続に関する準備は、残されるご家族の手続き負担に直結する分野です。何から手をつければよいか迷う方も多いですが、まずは「財産の全体像を把握すること」から始めると、その後の遺言書作成や相続税の見通しも立てやすくなります。

財産目録の作成(預貯金・不動産・有価証券)

財産目録とは、ご自身が保有している財産の種類・金額・所在をまとめた一覧表です。決まった様式はありませんが、一般的には次のような項目を整理しておくと、ご家族が相続手続きを進める際の助けになります。

  • 預貯金(金融機関名・支店名・口座の種類)
  • 不動産(所在地・登記情報・固定資産税の納税通知書の保管場所)
  • 有価証券(株式・投資信託などの証券会社名・口座番号)
  • 生命保険・退職金など
  • ローンや未払金などのマイナスの財産

財産目録は一度作成して終わりではなく、資産状況が変わるたびに見直すことが望ましいとされています。エンディングノートと合わせて保管しておくと、必要なときにご家族が確認しやすくなります。

遺言書の必要性と作成方法の種類(自筆証書・公正証書)

財産の分け方についてご自身の意思を明確に残しておきたい場合は、遺言書の作成が選択肢の一つになります。遺言書には主に次の2種類があります。

種類特徴費用の目安
自筆証書遺言ご自身で全文・日付・氏名を自書し押印する方式。法務局の保管制度を利用することも可能です。法務局での保管申請手数料は1件につき3,900円(税込・2024年時点、法務省公表資料による)が目安です
公正証書遺言公証人が関与して作成する方式。原本は公証役場で保管されます。財産額や相続人の数に応じて手数料が変動し、日本公証人連合会が公表する手数料表に基づいて算出されます。具体的な金額は個別の状況により異なるため、公証役場への確認が推奨されます

どちらの方式にもそれぞれの特徴があり、一律に「どちらが優れている」というものではありません。ご自身の財産状況やご家族の関係性に応じて、どの方式が適しているかを検討することが大切です。

相続税がかかるケースの目安

相続税は、すべての方に発生するものではなく、遺産総額が一定の基礎控除額を超える場合に課税対象となります。国税庁の資料によると、相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されるとされています(国税庁「相続税の計算」2024年時点の情報)。

たとえば法定相続人が2人の場合、基礎控除額は3,000万円+600万円×2人=4,200万円が目安となります。この金額を超える部分に対して相続税が課される可能性がありますが、実際の税額は財産の種類や各種特例の適用有無によって大きく異なります。個別の税額計算については、税理士等の専門家にご相談ください。

専門家(税理士・司法書士)への相談タイミング

財産・相続に関する準備は、ご自身やご家族だけで進めることも可能ですが、次のような場合には専門家への相談を検討する時期といえます。

  • 不動産や事業用資産など、評価が複雑な財産をお持ちの場合
  • 相続人同士の関係が複雑、または疎遠な親族がいる場合
  • 遺産総額が基礎控除額を超える可能性がある場合
  • 遺言書の内容について法的な有効性を確認したい場合

相続財産の評価や税額の算出は税理士、遺言書の作成支援や登記手続きは司法書士が専門とする分野です。早い段階で一度相談し、必要な準備の全体像を確認しておくと、その後の見通しが立てやすくなります。

家族に何をどう伝えておくべきか

エンディングノートや財産目録をどれだけ丁寧に作成しても、その存在や内容をご家族が把握していなければ、いざというときに活用されない可能性があります。終活は「自分の中で完結させるもの」ではなく、「家族と共有して初めて意味を持つもの」と捉えると、伝え方の工夫も見えてきます。ただし、伝える内容や伝え方によっては、ご家族に精神的な負担をかけてしまうこともあるため、押し付けにならない配慮が大切です。

エンディングノートの保管場所を共有する

エンディングノートは、書いた内容そのものよりも「どこに保管してあるか」を家族に伝えておくことが重要です。せっかく想いを書き記していても、存在を知らなければご家族が探し出せず、活用されないまま終わってしまうことがあります。

伝え方としては、深刻な雰囲気で切り出す必要はありません。「一応、まとめておいたものがあるから、この引き出しに入れておくね」といった軽い一言で十分です。金庫や書斎の決まった場所に保管し、家族の誰か一人にでも保管場所を伝えておくと、いざというときの安心材料になります。

延命治療や葬儀の希望を口頭でも伝える重要性

エンディングノートに医療や葬儀に関する希望を書き留めていても、いざという場面でご家族がそれを冷静に読み返せるとは限りません。特に延命治療の判断は、短い時間の中でご家族が決断を迫られることも多く、書面だけでなく普段の会話の中で口頭でも伝えておくことが助けになる場合があります。

例えば、テレビや新聞で終活や医療に関する話題が取り上げられたタイミングを利用し、「もし自分がそうなったら、こう考えているよ」と自然な形で話してみるのも一つの方法です。改まった場で伝えようとすると、かえってご家族が身構えてしまうこともあるため、日常会話の延長として少しずつ共有していく姿勢が、家族間の心理的な負担を和らげることにつながります。

家族会議のきっかけの作り方

財産や葬儀に関する希望を家族全員でまとめて話し合う「家族会議」は、有効な手段の一つですが、唐突に「終活について話し合おう」と切り出すと、身構えられてしまったり、縁起でもないと受け止められたりすることもあります。

きっかけとしては、お盆や年末年始など、家族が自然に集まる機会を利用する方法があります。また、ご自身の終活の話だけでなく、「もしものときのために、家族みんなでそれぞれの希望を確認しておこう」という形で提案すると、一方的な押し付けではなく、家族全体の課題として受け止めてもらいやすくなります。

一度にすべてを決めようとせず、まずは「エンディングノートを書き始めたこと」を報告する程度から始め、少しずつ話し合いの機会を重ねていく進め方も、家族の心理的な負担を軽減する工夫の一つです。

終活のやることリストに関するよくある質問

終活は何歳から始めるべきですか

明確な年齢の決まりはありません。定年退職や還暦を機に始める方が多い傾向がありますが、健康なうちから少しずつ情報収集を始める方や、家族のライフイベントをきっかけに考え始める方もいます。「早すぎる」「遅すぎる」ということはなく、ご自身が「始めてみようかな」と感じたタイミングが適切な時期だと考えられます。

エンディングノートと遺言書はどう違いますか

エンディングノートには法的な効力がなく、ご自身の希望や想いを自由な形式で記しておくものです。一方、遺言書は民法で定められた方式に沿って作成することで、財産の分配などについて法的な効力を持たせられる書類です。財産の分け方など法的な効力を持たせたい内容は遺言書に、医療・介護の希望や家族へのメッセージなどはエンディングノートに、というように役割を分けて考えると整理しやすくなります。

終活をやらないとどうなりますか

終活を行わなかった場合に問題が生じるとは限りませんが、ご本人の希望が伝わらないまま医療や葬儀の方針をご家族が判断せざるを得なくなったり、財産の所在が分からず手続きに時間がかかったりする可能性はあります。終活は「やらなければならないもの」というより、「行っておくことで、ご家族の判断の負担を軽くできる可能性がある取り組み」と捉えると、気持ちの面でも取り組みやすくなります。

終活は一人でも進められますか

エンディングノートの作成や財産目録の整理など、ご自身だけで始められる項目も多くあります。ただし、遺言書の作成や相続に関する判断など、専門的な知識が必要な場面では、司法書士・税理士・弁護士といった専門家への相談が助けになる場合があります。また、葬儀やお墓の希望、延命治療の考え方などは、最終的にご家族と共有しておくことで、より活かされやすくなります。

終活にはどのくらいの費用がかかりますか

取り組む項目によって費用は大きく異なります。エンディングノートは市販のものであれば数百円程度から購入できる商品もありますが、価格は商品や販売元により異なります(税込・税抜は購入先の表示をご確認ください)。一方、公正証書遺言の作成や生前整理の代行サービスなどを利用する場合は、内容や依頼先によって費用が変わってきます。まずは無理のない範囲でできることから始め、専門的なサービスの利用を検討する際には、複数の窓口で見積もりや説明を確認することをおすすめします。

途中でやめたり、内容を書き直したりしてもよいですか

エンディングノートや終活の取り組みは、一度決めた内容を変更してはいけないというものではありません。ご自身の考えや家族の状況は時間とともに変わることもあるため、定期的に見直しながら、そのときの気持ちに合わせて更新していくという向き合い方も選択肢の一つです。

終活の次の一歩を考えるために

ここまで、終活の全体像から優先順位の考え方、エンディングノートや財産・相続の整理、家族への伝え方まで一通りご紹介してきました。終活と一口に言っても項目は幅広く、すべてを同時に進める必要はありません。今回の内容を読んで「もう少し詳しく知りたい」と感じた項目から、一つずつ情報を深めていくことをおすすめします。

たとえば、葬儀やお墓について具体的なイメージを持ちたい方は、葬儀の形式や費用の考え方、お墓・納骨の選択肢を扱ったカテゴリの記事が参考になるかもしれません。相続や財産整理が気になる方には、財産目録の作り方や遺言書の種類について詳しく解説した記事もご用意しています。医療・介護の意思表示についてさらに理解を深めたい方は、エンディングノートの書き方や意思表示の方法を掘り下げた記事もあわせてご覧いただけます。

また、実際に手を動かしてみたいという方には、エンディングノートの活用やテンプレートを紹介する記事から始めるのも一つの方法です。ご自身のペースで、気になったところから読み進めてみてください。

関心のあるテーマ参考になる内容の例
葬儀・お墓の準備葬儀の形式や費用の考え方、お墓・納骨方法の選択肢
財産・相続の整理財産目録の作り方、遺言書の種類と作成方法
医療・介護の意思表示エンディングノートの書き方、意思表示の具体的な方法
家族との話し合い家族会議の進め方、伝え方の工夫

財産整理や相続に関して、より具体的な手続きを検討されている方は、税理士や司法書士といった専門家に相談することも選択肢の一つです。何から相談すればよいか分からない場合は、終活に関する資料をまとめて取り寄せられるサービスを利用し、情報を比較しながら検討する方法もあります。ご自身やご家族にとって無理のない形で、少しずつ準備を進めていただければと思います。

何から手をつけるか迷う方は、優先順位を整理した「生前に備える方へ」もご覧ください。

相続や終活の相談先に迷ったときは

相続・身元保証・介護・保険・葬儀・お墓は、それぞれ相談先が異なることが多く、どこに聞けばよいか分かりにくい分野です。窓口が一本化されている相談サービスであれば、状況を一度伝えるだけで必要な専門家につないでもらえます。弁護士法人グループの運営で、相談は無料です。

終活と相続のまどぐちに無料で相談する

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この記事を書いた人

ともしるべ運営者。葬儀・お墓・仏壇・死後の手続きの費用と段取りを、公式情報・公的資料の出典を確認しながら、わかりやすく解説しています。

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